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コンクリート打ちっぱなし物件の防音性は?
2023.11.30お役立ちコラム
デザイン性の高い一戸建てやマンションでよく見かける、コンクリートの打ちっぱなし物件。
コンクリートがむき出しになった無機質な見た目が都会的でおしゃれですが、防音性が気になる方も多いでしょう。
今回の記事では、コンクリートの打ちっぱなし住宅の防音性について、木造や通常のコンクリート造の住宅と比べながら解説します。
コンクリートの打ちっぱなしの防音性
コンクリートの打ちっぱなし住宅とは、コンクリートを固めたまま、壁・天井・外壁などの仕上げをせずに、コンクリートがむき出しのままで完成させた住宅です。
木造建設に比べると壁の強度が高いため柱のない広い空間を作りやすく、コンクリートの無機質な質感がおしゃれだと、デザイナーズハウスやデザイナーズマンションで多く見られる手法です。
気になる防音性は?
コンクリート打ちっぱなし物件は見た目がおしゃれなだけで実は住みにくそう、という印象を持っている方も少なくないのが事実。
特にコンクリートがむき出しの壁や天井では、音が吸収されずに響きそうに見えるため、「コンクリートの打ちっぱなし=防音性が低い」と思っている方も多いのではないでしょうか。
コンクリート打ちっぱなし物件は防音性が高い
コンクリートの無機質な見た目から、音が反響しやすそうに見えるコンクリートの打ちっぱなし物件ですが、実は防音性は高いです。
コンクリートは原料に岩石を用いているため、重量があり密度が非常に高く、音が伝わりにくいという性質を持っています。
コンクリート打ちっぱなしの防音性を解説
建物の防音性を測る基準として、D値とL値の2種類があります。
D値とは空気音の遮音性を示す値で、L値は床衝撃音を示す値です。
RC造のD値
D値のDは”Difference(=差)”という意味で、音が壁を通過する際にどれだけの音を損失させるか、その差を示した値です。
コンクリート打ちっぱなし物件の構造は鉄筋コンクリート造(RC造)ですが、RC造のD値はD-50です。
D-50の壁は50dB相当の音を損失させるため、隣の部屋でピアノ(90dB)を弾いていても、壁を隔てると40dBまで下がります。
D-50という小音声は集合住宅やホテルの客室では1級の遮音等級に相当し、遮音性が優れているとされています。
一般的な木造住宅のD値はD-35程度なので、RC造の建物の方が木造に比べると遮音性は高いと言えます。
衝撃音性能を表すL値
L値は上階の床衝撃音が下階でどの程度聞こえるのかを示す値で、数値が大きい程伝わる衝撃が大きくなります。
RC構造のL値はL-50で、上階の「子供の泣き声や走り回る音は聞こえる」程度の遮音性があります。
木造のL値はL-75で「生活音は筒抜けで小さな音まで聞こえる」レベルなので、RC造のコンクリートの打ちっぱなし物件の方が衝撃音も伝わりにくいです。
通常のRC造よりも壁が厚い
一般的なRC造の壁の厚さは120mm〜150mmです。
コンクリートの打ちっぱなしの建物の場合、界壁の厚さは150mm〜200mmなので、RC造よりも壁に厚みがあります。
密度の高いコンクリート壁は厚みがあるほど遮音性も高くなるため、通常のRC造よりコンクリートの打ちっぱなし物件の方が防音性は高くなります。
隣室へ音が広がらないメリットも
RC造で内蔵の仕上げに石膏ボードを張ると、石膏ボードとコンクリート壁の間に空気層ができます。
空洞部分では音が太鼓のように響き、隣室に伝わってしまうことがあります。
打ちっぱなし物件ではコンクリートがむき出しの状態となっているため、空気層を通じて隣室へ音が広がらないというメリットもあります。
コンクリートの打ちっぱなしはこんな人におすすめ
コンクリートの打ちっぱなし物件は、木造や通常のRC造の物件に比べると防音性の高さが魅力です。
以下のような方は、コンクリートの打ちっぱなし物件を選ぶのがおすすめです。
ミュージシャン
ピアノやバイオリンなどの楽器を弾く人、声楽をやっている人などは、自宅で練習している時に近隣への迷惑が心配になることも多いでしょう。
ピアノの音量は90~100dB、ドラムは100dB、サックスなどの木管楽器は70~95dB、声楽・ボーカルは90~100dBです。
90dBの騒音は地下鉄の音に相当し「とてもうるさい」と不快に感じるレベルなので、防音効果の高いコンクリートの打ちっぱなし物件がおすすめです。
小さなお子さんがいる家庭
マンションや住宅の密集した住宅地では、子供の遊び声や子供の足音などが近所迷惑にならないか、日常的に気を使って生活をしている方は多いはず。
「近所迷惑だから静かにしなさい」と注意するのもストレスで、のびのびと子育てをしたいと感じることも多いでしょう。
防音効果の高いコンクリートの打ちっぱなし物件を選べば、隣家に子供の遊び声や足音が響くことを心配せずに過ごせます。
また、ピアノやバイオリンなどを習っているお子さんも、近所迷惑になる心配をせずに練習できるというメリットがあります。
家の外の騒音が気になる方
幹線道路、線路、大型の商業施設、学校などに隣接した土地に住宅を建てる場合、騒音対策を考慮する必要があります。
騒々しい場所にあっても防音性の高いコンクリートの打ちっぱなしを選べば、家の中では家の外の騒音をシャットアウトし静かに過ごせます。
まとめ
おしゃれで都会的なコンクリート打ちっぱなし物件は、木造や一般的なRC造の家に比べると防音性が高いのもメリットの一つです。
家の外の騒音を遮断できるので、騒音の気になる立地にある住宅でも「家の中は静かで快適」と言われています。
また、近所迷惑を気にせず音楽を楽しんだり、子育てをしたりできるのも魅力でしょう。
防音性の高い住宅を希望している方は、コンクリートの打ちっぱなし物件を検討してみてください。